論文名 | 人生に悔いを残さない老いのプロセスに関する研究展望 |
著者名 | 塩﨑麻里子 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年社会科学,46(3):287-294,2024 |
抄録 | 老いは,一時点で経験するものではなく,プロセスとして経験するものである.自分らしい人生の締めくくりを実現するためには,人生に悔いを残さない老いのプロセスが重要となる.心理学で培われてきた後悔に関する研究からは,解消が難しい状況にある高齢者の後悔こそが,心身の健康に大きな影を落とすことが明らかとなっている.これらの背景から,高齢期の後悔を未然に防ぐアプローチとすでに経験した後悔を解消するアプローチに関する研究を紹介し,今後の展開について議論した.高齢期には,人生の最期を左右する難しい選択を迫られることが多い.後悔を未然に防ぎ,どのように人生を選択していくのか.また,すでに経験している後悔をどのように受け入れて意味づけていくのか.今後の人生に悔いを残さない老いのプロセスに関する研究蓄積が期待されている. |
キーワード | 老いのプロセス,後悔,人生の価値志向性,二次コントロール |