論文名 | 現役世代介護者に必要な支援とオンライン支援プログラム開発の取り組み |
著者名 | 森山葉子 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年社会科学,47(1):57-63,2025 |
抄録 | 現役世代介護者は,介護のほかに仕事や育児などたくさんの役割を担う者も多く,時間的にも心理的にも余裕をもてないことがうかがわれ,この世代の介護者の幸福感やQOLなどの低さも指摘されており,心身の健康が懸念されている.一方,昨今のICTの発展により,インターネットを活用した介護者支援プログラムが国内外で開発されており,こうしたオンライン支援の特徴は,忙しい現役世代介護者の状況や必要な支援に合うと考えられる.本稿では,現役世代介護者の現状を整理し,必要な支援を検討する.また,ICTを活用したオンライン支援の特徴を述べ,筆者らが取り組んでいるポジティブ心理学をもとにした現役世代介護者向けオンライン支援プログラムの開発について紹介する. |
キーワード | 家族介護者,現役世代,ダブルケア,オンライン支援,ポジティブ心理学 |
論文名 | 地域における専門および非専門職による介護家族支援の実態と課題――対面およびICTによる支援の両用を目指して―― |
著者名 | 広瀬美千代 |
雑誌名 巻/号/頁/年 |
老年社会科学,47(1):64-70,2025 |
抄録 | 要介護高齢者が急増する一方で,家族の形態も多様化している.近居・遠居における介護や介護と仕事,あるいは介護と育児の両立など,家族介護者の様相が多様になり,従来からの介護者支援は新たな局面を迎えている.一方,さまざまなICTによるツールが実際の介護現場では使用されている.そのような背景のなか,本稿ではまず,介護家族への効果的な顔のみえる支援の例として,訪問系サービス利用がもたらす効果,認知症カフェの実際,認知症の人と家族への一体的支援を取り上げる.次に近年の地域福祉活動の現状と課題を踏まえ,とくに非専門職による介護家族への支援例に焦点を当て,専門職と非専門職がいかに地域での要援護者発見に貢献しているのかといったことに関して,その役割の重要性について述べる.最後に,顔のみえる支援とICTによる介護家族支援のそれぞれの特徴と今後のその両用の方策について課題を提示したい. |
キーワード | 介護家族,介護負担感,地域福祉活動,非専門職,ICT |